3月20日から22日にかけて開催された「バンダイゲームフェスタ」。ここで行われたチャンピオンシップ予選は、4月から始まる新レギュレーションを占う極めて重要な大会となりました。
最大のトピックは、ブロックアイコン制度の先行適用です。 アイコン「①」のカード、すなわち「ゴムゴムの業火拳銃(レッドロック)」や「8コスト ユースタス・キッド」といった、これまでゲームの「基準」となっていたカードたちが戦場から姿を消しました。

この「基準なき戦場」で何が起きたのか。初日のチーム戦と二日目の個人戦、二つのデータからその全貌を分析します。
1. 【初日:チーム戦】「青黄」の鉄壁が環境を定義する
初日のチーム戦(上位16チーム・計48名)の分布を見ると、大きな偏りが発生しました。

データ分布
- 青黄ナミ:12名
- 青黄ハンコック:12名
- 赤青ルーシー:6名
- 紫エネル:6名
「青黄」の2つのデッキが選ばれた理由:受け潰しの美学
特筆すべきは、48名中24名が「青黄」リーダーを選択した点です。 ここで重要なのは、青黄ナミの性質です。このリーダーは豊富なライフ回復手段と膨大な手札リソースを駆使し、相手の攻撃をすべて受け潰すこともできる耐久性能の非常に高いデッキです。
- 8キッド不在の影響: これまで、青黄のデッキに対して「8コスト キッド」を立てて攻撃をシャットアウトする戦術が有効でしたが、その壁が消滅しました。
- 業火拳銃不在の影響: 相手の大型キャラを1枚で除去する手段が減ったことで、盤面の取り合いが低速化。結果として、リソース供給量で勝る青黄ナミや青黄ハンコックが、相手の息切れを待って「受け潰す」展開が正解の一つとなりました。どちらのデッキも業火拳銃を使う側ではありますが、圧倒的な耐久力を武器に環境トップの座を盤石にしました。
次点に並んだのは、「赤青ルーシー」6名、「紫エネル」6名です。
赤青ルーシーは強力なブロッカーや除去を擁し、全体の12.5%が決勝に残りました。
事前の予想通り、紫エネルも6名を送り込み、確固たる地位を築いています。
3ターン目から10000打点を生成する暴力的な出力は、環境への大きな影響力を誇ります。
中堅層には以下のリーダーが並びます。
黒クロコダイル:3名
黄ルフィ(OP15):3名
緑ミホーク:2名
黄カルガラ:2名
ここで注目すべきは、15弾の空島のキャラが追加された「黄ルフィ」と「黄カルガラ」が計5名、決勝圏内に食い込んでいる点です。ブロックアイコン制度による旧カードの退場が、新カードへの切り替えを加速させている事実が数字に現れています。
一方で、「緑ミホーク」は2名に留まりました。8キッドを失った緑系統が、防御面で苦戦を強いられた可能性を示唆しています。
2. 【二日目:個人戦】「赤青ルーシー」の鮮やかな逆襲
しかし、翌日の個人戦(上位16名)のデータを見ると、風向きが大きく変わります。

データ分布
- 赤青ルーシー:5名
- 青黄ナミ:3名
- 青黄ハンコック:2名
- (その他 1名ずつ): 赤紫ロジャー、紫ドフラミンゴ、紫エネル、黒クロコダイル、黄カルガラ、黄ルフィ
ルーシーの台頭:5/16という圧倒的占有率
初日、青黄勢の半分だった赤青ルーシーが、個人戦ではトップへと躍り出ました。16名中5名、実に31%のシェアです。

なぜルーシーが勝ったのか?
- 除去なき環境の「暴力」: 相手に「業火拳銃」や「9コストのミホーク」がないということは、ルーシー側が展開するサボが盤面に残り続けることを意味します。
- 受けを貫通する手数: 初日に猛威を振るった青黄ナミやハンコックの「受け潰し」に対し、ルーシーはサボのカードパワーで圧し潰すアプローチで粉砕していきました。
3. 【考察】ブロックアイコン1喪失が変えた「守備」の概念
今回の二日間のデータを比較すると、環境の過渡期特有の面白い現象が見て取れます。
「守り」の質の変化
これまでの守備は「8キッドで蓋をする」「業火拳銃で消す」といった、カード1枚で完結する強力な拒絶でした。 しかし新環境では、
- 青黄系統のデッキのように、複数のカード(ボルサリーノ&助けてクエーサ~!!!)を組み合わせてライフと手札を維持する「面」の防御
- ルーシーのように、優秀なブロッカーと除去を駆使して守る。 この二極化が進んでいます。
紫エネルの立ち位置
事前の予想で本命視されていた紫エネルは、チーム戦で6名、個人戦で1名と、一定の成果を出しつつも「青黄ナミ」、「青黄ハンコック」、「赤青ルーシー」の影に隠れる形となりました。 3ターン目からの10000打点は強力ですが、青黄ナミのような「無限の回復手段」を持つ相手に対して、攻め手が単調になると受け切られてしまう脆さも露呈したのかもしれません。

4. 4月環境への展望:数字から導き出される対策
この三連休の結果から、4月の店舗予選やフラッグシップバトルで勝つための指針が見えてきました。
- 「受け」への回答: 上位に残った「青黄ナミ」の回復力をどう突破するか。
- ルーシーへの対策: 業火拳銃やミホークがない環境では、ルーシーのサボをどう乗り越えるか。
これらのどちらかを選ぶか、両方を乗り越える回答を探す必要があります。
新リーダーの芽
分布の端には、15弾の黄ルフィや黄カルガラ、そして赤紫ロジャーの姿も見えます。これらはまだ研究段階ですが、トップメタである「青黄ナミ」、「青黄ハンコック」、「ルーシー」の隙を突くポテンシャルを秘めています。
おわりに
三連休の激闘、そしてブロックアイコン制度の導入。ワンピカードは今、間違いなく「新時代」に突入しました。 これまでのセオリーだった「最強の1枚」に頼る時代は終わり、デッキ全体のリソース管理やライフ回復を駆使した駆け引きが始まっています。
「あのカードがあれば……」と嘆くのではなく、今あるカードでどうやって鉄壁のライフを貫くのか。その試行錯誤こそが、新環境を制する唯一の道です。
今回の結果をもとに、4月の戦場を勝ち抜きましょう!


