ワンピースカードにはただ一人、二回弱体化を食らったリーダーがいます。


エニエス・ロビー、ゲッコーモリア、氷河時代の3枚を失った黒ルッチです。

根幹を次々と失ったルッチですが、それでも熱心なプレイヤーたちが往年のルッチの残像を追い求めています。
筆者もまたその末席の一人です。
今日はルッチの歴史と思い出を振り返り、果たして二度目の復活を遂げるのか見ていきましょう!
あまり注目されなかった発表当時
二度も禁止カードを食らう強烈なリーダールッチですが、初めてお披露目されたときにはそこまで注目されませんでした。
少なくとも、ルッチが二度も弱体化させられることを予見した人は皆無でしょう。
なぜなら、ルッチが登場した時代にはサカズキが環境を席巻していたからです。

どちらもアタック時に相手キャラのコストを下げます。サカズキは手札を入れ替えられるのに対し、ルッチにそんな能力はついていません。
さらに、当時使われていたあるカードたちが両者の命運を分けました。

サボです。黒ルッチの除去戦法はサボの「待て」を食らいます。サカズキもルッチも相手のキャラが立ち並ぶのを許容できません。
相手のキャラを除去することで自分のライフを守っているからです。
サカズキもルッチもサボを使うリーダーですが、もう一枚のカードが極悪でした。

犬嚙紅蓮です。サカズキが使うサボはルッチの除去を完封するのに対し、ルッチが使うサボは犬嚙紅蓮の前に無力でした。
サカズキVSルッチの直接対決は圧倒的にサカズキが有利だったのです。
とは言え、ライフが1枚多い分、ルッチが決して下位互換というわけでもありません。アグロへの耐性ならルッチの方が上です。
ライフ4リーダーと5リーダーの間には大きな差がある。・・・ハズでしたが、サカズキはロブ・ルッチや天叢雲剣によりアグロデッキを殲滅する性能も高かったのです。
サカズキが環境を支配していたため、ルッチに出番はほとんどありませんでした。
ルッチ初陣
ルッチが本格的に環境に姿を現すのは、サカズキが禁止カードにされてからでした。
サカズキのような柔軟性こそないものの、ロブ・ルッチやゲッコー・モリアを叩きつけて圧倒的優位な盤面を築くことができました。
サカズキ禁止後、ようやくルッチが日の目を見ることになりました。しかし、そこには猛威を振るっていたリーダーが待ち受けます。

赤紫ローです。圧倒的な展開力で毎ターン2体ずつキャラを展開しながら、相手キャラも1体ずつ除去していきます。
ローとルッチは環境でしのぎを削り合っていました。どちらが優勢だったのかについては議論も巻き起こりましたが、より理不尽だったのは赤紫ローです。
キャラを展開し続けているのに、クイーンやレイジュのドローで手札が減らなかったのです。
ルッチもゲッコー・モリアさえ出せれば手札の消費を抑えられますが、赤紫ローの猛攻はモリアを出すよりはるか前から始まっています。
ローがガンガン展開しながら手札も補充するのをルッチ側が止め続けるのは決して容易ではありませんでした。
ルッチ天下取りの野望
赤紫ローとしのぎを削り合う関係も禁止カード改定により唐突に終わりを迎えます。
実質上位互換のサカズキが消え、ライバルのローが消え、ルッチはエニエス・ロビーを失うことになりました。
ロー無き世界で一躍トップに躍り出たのは青ドフラミンゴでした。
ジンベエによる二面展開や、リーダー効果により手札消費なしでキャラを展開していくのは非常に強力でした。
その青ドフラミンゴに対してルッチは非常に強力な対抗馬であり続けたのです。
ルッチ視点では青ドフラミンゴは除去のない赤紫ローになります。
環境トップに有利ならルッチの天下・・・とは行きませんでした。
黒黄ルフィや黒ティーチが立ちはだかったからです。
黒黄ルフィはリーダーのパワーが実質9000。モリアを連打できなければ攻撃することすらままなりません。
しかも、サボのKO時耐性を繰り返し使われることで、ルッチがキャラを除去するのは困難を極めます。
黒ティーチはルッチの登場時効果を封殺するため、ほぼ何もKOできません。
極めつけはジーザス・バージェスです。KOもできず、高パワーで攻撃してくる彼は悪夢でしかありません。

黒ルッチは各地で結果を出しながらも、宿敵たちに囲まれていました。
天下取りを狙いながらも、二度目の禁止改定で氷河時代とゲッコーモリアを失ったのです。
救世主候補クザン
禁止改定により、ルッチは大幅に弱体化。
環境は青紫ルフィ、緑紫ルフィが中心となり、彼らを倒すべく赤ゾロや赤黄ベティなどのアグロデッキが台頭しました。
今までアグロデッキが活躍できなかったのは、ルッチがいたからと言っても過言ではありません。
しかし、青紫ルフィたちをアグロデッキが倒すのであれば、黒ルッチはまったく悪くない選択肢です。
なぜなら、アイスエイジやモリアを失った今の状態ですらアグロデッキには十分な勝率を叩き出すからです。
ロブ・ルッチやジャックでアグロデッキのキャラの大半はKOできます。

アグロデッキへはまだまだ睨みを利かせられますが、環境トップの青紫ルフィ相手は相変わらず厳しいままでした。
それでもルッチ使いたちが抗う術を見出したのです。
それがクザンです。

ジャックからクザンと展開すれば、リーダー効果と合わせて9コストのキャラまで討ち取ることができます。
もし盤面にラブーンがいれば、クザンの登場時効果でもさらに9コストのキャラをKOできるのです。
つまり、青紫ルフィの必殺技サンジにも二面除去で打ち返せる可能性があるのです。

クザンのデバフ効果さえあれば、高コスト帯を擁する青紫ルフィの主力たちも軒並みKOできるのです!
焼け野原からの新生ルッチ
筆者がくみ上げて戦いの場に連れて行っている今のレシピはこちらです!

ウタやラブーンなどを並べていき、ロブ・ルッチやジャックで相手のキャラを倒していくコンセプトです。
特にクザンがキーカードなので、サーチで連れてこれるようにココロのちずもフル投入しています。
クザンを出せないと青紫ルフィ相手にはなす術なく負けるからです。
ぱっと見できれいに動けそうな手札でも青紫ルフィ相手には意味をなしません。
クザンのいないハンドはすべてマリガンしても構わないくらいクザン頼みです。
かつてのルッチのようにモリアもいないので、手札の補充はほとんど利きません。
レベッカの使いまわしも過去の思い出とともに消えています。
耐久力は昔よりもだいぶ落ちています。相手のキャラを殲滅したら、ネフェルタリ・コブラやバルトロメオでしっかり身を守ってください。
ちなみにネフェルタリ・コブラはトラッシュを肥やすことができるので、レベッカやロブ・ルッチとも相性がいいです。
おわりに
二度の禁止改定を経て、黒ルッチは両翼をもぎ取られたと言っても過言ではありません。
しかし、それでもなお愛好者たちが夢と思い出を諦めていないのです。復活の兆しは見えます。
アグロキラーぶりは相変わらず健在です。
特に青紫ルフィを倒しにかかるルッチとベロベティにとてつもなく強く出られます。
もはや青紫ルフィ最大の支援者と言えるでしょう。
青紫ルフィ相手には厳しい局面も多いですが、クザンをしっかり引き込んで除去連打モードに入れれば話も変わってきます。
昔とはだいぶ様変わりしましたが、ぜひルッチも楽しんでください!
コメント